キリ
今回のテーマは・・・「 キリ 」
巨大な雑草 … と言いたいところだが、左記の写真は キリ(桐)の幼木である。キリはゴマノハグサ科キリ属の落葉高木である。他の樹木よりも生長が早く、 20 年ほどで高さ 8 ~ 15m、直径 40 ~ 60cm ほどの成木になる。樹皮は灰白色で皮目が多く、その材はとても軽くてやわらか。先のとがった広卵形の 20 ~ 30cm にもなる大きな葉が特徴的で、初夏には薄紫色の花を咲かせる。
原産は中国といわれているが、日本でも宮崎県から大分県にかけての山地に自生している。キリは日本国内で採れる木材としては最も軽く、湿気を通さず、割れや狂いも少ない特性があり、加工しやすいことで有名だ。北海道南部から鹿児島に至る広い地域で古くから植栽され、良質の木材として重宝がられてきた。また、伝統的に神聖な木とみなされ、家紋や紋章の意匠にも取り入れられてきた。かつて日本では女の子が生まれるとこの木を植え、結婚する際には、そのキリで箪笥を作り嫁入り道具にするという風習もあった。
発生した雑草を放置すると・・・
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キリの種子には翼(よく)が付いており、風にのったり鳥が運んだり遠くまで広がっていく。発芽率が高く生長が早いため、気がつかないうちに巨大化していることがある。市民から「お化けのような大きな葉の植物が生えてきた、これは突然変異か?」などの問い合わせは、キリの幼木であることが多い。
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写真のように、道路の中央分離帯から生えたキリは、その巨大な葉が視認性を低下させ危険である。また、根を下ろすことが難しい環境の場合その巨木が突然倒伏する恐れもあるため、見つけ次第、取り除くことが重要である。
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